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ユーロモニター、観光業の高付加価値化に向け、旅行者とその消費の特徴をタイプ別に分析

10/8/2024
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  • コト消費のトレンドから、旅行先での食事での質を重視して旅行先を選ぶ人の割合は、韓国で3%、日本で25.3%と世界平均15.0%を大きく上回る
  • レポート内では消費者調査に基づき、旅行者タイプを8分類し、高付加価値化につながる、タイプ毎の消費の特徴を分析
  • 日本国内へのインバウンドの8割以上を占めるアジアの消費者は、デジタル化とユニークな現地体験を重視

 

【東京】英国の市場調査会社ユーロモニターインターナショナル(以下、当社)は、2024年に実施したトラベル・サーベイ(39カ国、各国約1000名を対象に実施)結果等に基づき、観光業の高付加価値化にあたって把握することが重要な、旅行者の嗜好やタイプ別特徴についてまとめたレポートを発表しました。

日本と韓国の消費者は、旅行先での食事の質にこだわり

同サーベイの質問にある、旅行先を選ぶときに重視する要素(複数回答可)について日中韓の回答を比較したところ、「安全であること」と「リラックスできること」はこれら3か国すべての消費者が重視する要素のトップ3に入りました。また、「旅行先での食事の質」について、韓国では30.3%、日本では25.3%の人が重視すると回答し、世界平均の15.0%を大きく上回りました。中国では、「ローカル文化の体験」を重視すると答えた人の割合が23.1%と、他国よりも多いことが判明しました。

トラベル・サーベイ2024―旅行先を選ぶときに重視する要素(複数回答可)

図1

当社のアナリストによると、日本・韓国の消費者は、体験重視のトレンドから、旅行中の食費が増加する傾向にあります。

木村幸コンサルタント(日本国内旅行業界担当)
「2024年は円安や生活コスト上昇などの理由によって海外旅行が伸び悩み、日本に住む消費者の旅行は9割以上が国内旅行となるとみられている。国内旅行においては、季節やその土地でしか味わえないものを楽しむことが醍醐味と感じる消費者が多く、日本国内であればどこで食事をしても比較的質の高い食事をとることができるという実態も旅行中の食への期待値を高めていると考えられる。また、近年は消費者が旅行において、より一層体験を重視するトレンドが見られ、『食も体験のひとつ』という認識のもと旅行支出における食の比率は増加している。コロナ前の2019年の国内旅行における全消費に占める食事の比率が13%だったのに対し、2024年は17%まで上昇する見込みだ。」

ソ・スミン・リサーチアナリスト(韓国の旅行業界担当)
「韓国では、2024年に外国へ旅行する消費者は2割と日本に比べると高い。最も人気の高い目的地は、昨今円安の進む日本とお財布にやさしい東南アジア。韓国の消費者の間でも、日本と同様、旅行中に質の高い時間や食事を楽しむという傾向がみられ、2024年には国内旅行・海外旅行両方において、食事への出費は前年比2割増の成長が見込まれている。」

 

観光業の高付加価値化に欠かせない旅行者タイプ分類

当社では、トラベル・サーベイの結果に基づいて世界の旅行者を8タイプに分類し、それぞれの特徴にあわせて何により多く消費するかという分析を行いました。

旅行者タイプ

タイプ別特徴と消費の傾向

エコ冒険家

気候変動を懸念旅行時にエコツーリズム、文化体験、列車・バスでの移動のうち少なくとも1つを重視。

エコ冒険家の45%が、

省エネ等の特徴のある持続可能な旅行のためであれば、少なくとも30%多く支出しても良いと考える。

ブレンドトラベラー

仕事と生活のバランスを重視。旅行先を選ぶ際には便利な旅行オプションやリラクゼーションを重視

ブレンドトラベラー

10%が、

ファミリーフレンドリーな旅行のためであれば、少なくとも10%多く支出しても良いと考える。

レジャーシーカー

旅行先を選ぶ際には、航空券と宿泊を含むホリデー・パッケージの予約可能性や、オールインクルーシブのホテルやリゾートを重視。

レジャーシーカーの

77%が、

質の高い食事のためであれば、少なくとも10%多く支出しても良いと考える。

文化探求家

旅行先での文化体験を重視。旅行先では、芸術や遺産、または地元の文化に溶け込むことを重視

文化探求家の78%が、

ローカル文化を体験するためであれば、少なくとも10%多く支出しても良いと考える。

ラグジュアリーシーカー

人から成功していると思われることを重視、過去1年間に少なくとも2回の海外旅行に行き、体験にお金を使うことが重要であると考える。買い物をするときに量より質を重視。

ラグジュアリー

シーカーの45%が、

リラクゼーションのためであれば、少なくとも30%多く支出しても良いと考える。

デジタルトラベラー

インターネット接続がなければ路頭に迷、オンライン体験を重視、過去1年間に海外旅行をしたことがある。

デジタルトラベラー

80%が、

便利な旅行オプションのためであれば、少なくとも10%多く支出しても良いと考える。

ウェルネス崇拝者

リラクゼーションを重視し、少なくとも週一で運動をし、過去1年間に少なくとも1回の海外または国内旅行に行ったことがある。

ウェルネス崇拝者の

48%が、

ボランティアツアーのためであれば、少なくとも30%多く支出しても良いと考える。

冒険愛好家

理想的な旅行先として、スポーツ・アドベンチャー自然・アウトドアを挙げ、実体験を重視し、過去1年間に少なくとも1回の海外または国内旅行に行ったことがある。

冒険愛好家の43%が、

スポーツやアドベンチャーのためであれば、少なくとも30%多く支出しても良いと考える。

 

当社のキャロライン・ブレムナー旅行業界シニアインダストリーマネジャーは、旅行者分類の重要性について、以下のように述べています:

「2024年は、地中海の島々を始め、世界の一部の観光地で過剰な数の観光客が来訪し、地域社会にとっても旅行者にとってもマイナスの影響を引き起こすオーバーツーリズムの問題が引き起こされた。(受け入れ側が)旅行者分類をよく理解し、目的地の文化的・自然的資産に合致したニッチな旅行者層をターゲットとして戦略を立てることは、旅行者の目的や価値観、優先事項を目的地のオファーや地域社会のニーズと一致させる確実な方法であり、旅行者はそれに対してより高い料金を支払い、結果的に、量でなく価値に焦点を当てた、高付加価値・持続可能な観光につながり、地域社会や目的地へより良い結果をもたらすことができる。それはまた、マスツーリズムや低価格競争からの脱却にも貢献することになるだろう。」

 

日本国内インバウンド旅行者の8割以上を占めるアジアの消費者の特徴は

旅行者タイプを地域別に見てみると、日本へのインバウンド客の8割以上(2024年予測)を占めるアジア地域の消費者は、デジタルトラベラー(20%)、文化探求家(17%)、レジャーシーカー(22%)、エコ冒険家(21%)が多いことがわかります。

図3

アジア地域の旅行者が、他地域に比べて特にデジタルトラベラーである傾向が強いことに関し、当社のプルーデンス・ライ・コンサルタント(アジア地域旅行業界担当)は、以下のように述べています:

「アジア地域の旅行者は、他地域に比べて特にデジタルトラベラーのタイプが多く、オムニチャネルのタッチポイントを通じてシームレスなデジタル化された旅行体験を求める傾向が強い。そのため、彼らを迎える観光関連業者は、オンライン、更にはスマホ上の操作性を強化し、チケットや宿泊施設の予約時に素早く簡単に購入を完了できるなど、便利でシームレスな旅行をアピールする必要がある。また、アジア地域の旅行者は、コロナ禍以前とは異なる方法で目的地を発見したいと考え、現地の文化体験や隠れた名所、冒険を求めており、一般的なサービス提供を超えたユニークな現地体験要素を組み込む必要がある。」

– 以上 –

報道関係の方のお問い合わせ先: 
ユーロモニターインターナショナル 広報担当
花﨑 真夕(はなざき まゆ)
Tel: 03-3436-2100  mayu.hanazaki@euromonitor.com

ユーロモニターインターナショナルについて: 
ユーロモニターインターナショナルは、英国ロンドンに本社を置くグローバル市場調査会社です。世界16か国にオフィス、100か国に現地アナリストを配置し、市場分析レポートやデータベース、カスタマイズ化されたコンサルティング調査をもって、企業の皆様の、いつ、どこで、どのようにビジネスを成長させるべきかという意思決定のお手伝いをしています。戦術的(Tactical)かつ戦略的(Strategic)である当社の調査ソリューションは、最新のデータ分析技術を利用、都市圏単位からグローバル市場までをカバーし、世界市場の様々なトレンド・成長要因に関する情報を提供することで、事業における優先順位の見極めや仮説の見直し、潜在的なビジネス機会の発見にお役立ていただけます。

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